大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和34年(ネ)552号 判決 1960年11月12日

控訴人 宇崎穆夫

右訴訟代理人弁護士 若林大輔

被控訴人 大映株式会社

右代表者 永田雅一

右訴訟代理人弁護士 植垣幸雄

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

≪省略≫

理由

被控訴人の本訴請求に対する判断は、以下に訂正補充する外、原判決理由記載と同一であるから、ここにこれを引用する。

原判決認定の事実中の昭和三一年一月分の上映料金中四〇万円の残金のあること、本件上映料金に対し第三者より一〇万円控訴人より二〇万円の弁済があつたことはいづれも当事者間に争のないところであるからこの点の判示をそのように訂正する。

当審証人桐山秀次、中村寬治及び宇崎淳の証言によつては、右引用の判示事実を左右するに足りない。

右証人等の証言によれば、本件映画賃貸借契約は毎月その翌月一ヶ月分の上映々画及びその料金額を約定し、料金を前払する方式により繰返し継続して来たものであるところ、昭和三一年三月分については被控訴会社において自社製作映画の専属的上映制度の採用に際し、控訴人との間に専属館契約をすることを希望しなかつた関係からその間の取引が終了したものであることを認めることができる。

よつて、本件控訴を棄却し、民事訴訟法第八九条を適用し、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 石井末一 裁判官 小西勝 井野口勤)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例